2021/07/11 23:47


 

 今回は

KANJI MADEで現在販売中の

篆刻キーホルダーを作ってみて、

私が気付いたことを紹介します。


現在まで既に、

10種類以上の篆刻キーホルダーを

製作してきました。


それらは全て、

師村妙石篆刻作品と、

ザ・テンコク作品を使用してます。


与えられた素材の良さを効果的に表現しながら1つの形にしていく、

デザイナーのような仕事です


師村妙石作品、

特にザ・テンコク作品は、

もともと個性が強い印に対し、

色をつけことで更に存在感が増し、完結させているイメージです。


それは、

もうこれ以上動かせない、

動かしてはいけない

ということを意味します。


 私が小物を作る時、

注意している点もここで

既に完成している作品に

なるべく手を加えず、

そのままシンプルに商品にすることを思考の軸としています。


 篆刻キーホルダは、

主に長方形、正方形、丸、ハートの形があり、篆刻の形をそのまま縮小してサイズを調整しています。


この“縮小”というところが

実はポイントです。


 ザ・テンコクは、

篆刻を拡大して色をつけたり

立体化したりした作品です。


それを逆に縮小することで、篆刻キーホルダは完成しています。


4センチか5センチ四方程なので、実際の印よりも一回り小さいくらいです。


印象としては、

ザ・テンコクが持つ、強さとインパクトが、小さくなることで優しく、可愛らしく、より印が引き締まったイメージに変化しました。


これは1つの大きな発見でした。


 今まで、篆刻を拡大することで新しいザ・テンコク作品が生まれてきました。


更に、篆刻を縮小しても、

拡大した時とは違った味わいや世界観が生まれる、

ということを

実感することができたのです


 今までのザ・テンコクの概念

「篆刻を拡大し、彩色し、立体化する」というものに、

プラスアルファとして、

「篆刻を拡大・縮小し、彩色し、立体化する」

という新しい概念が加わったことになります。


篆刻作品が、

大きくも小さくも変化し、

どんな色にも変化し、

いろんな形に立体化していく


ザ・テンコクとは、

そのような宇宙観を追求していく終わりのない旅のように思います


そして、

そのゴールは本来の篆刻の姿にあるような気がします


 “篆刻を小さくしてみたら、

可能性が大きくなった”


という不思議なお話でした。                 


                                      師村 冠臣